春色梅児誉美 巻の9(滑稽本手控え)

あらすじ

『春色梅児誉美』巻の九では、お由の病状を気にして訪ねてきた藤兵衛の様子が描かれます。それを不思議そうに眺めるお蝶(お長)。その後、藤兵衛はお蝶の借金を返済すると約束しますが、それ以来、連絡が途絶えてしまいます。そんなある時、藤兵衛が厄介な事件に巻き込まれていると知らせる男が現れます。これまで積み重なってきた恋のもつれに加え、男女それぞれの胸の内や思惑が複雑に交錯し、思いを寄せるほどに苦しさを増していく人々の恋模様が描かれます。一方、丹次郎(たんじろう)はのんきなもので、芸者の仇吉と遊んでいたところを米八(よねはち)に見つかってしまいます。丹次郎をめぐる人々の思いも、ここにきて大きく揺れ動きます。江戸の町に暮らす人々の生き生きとした会話や人情を通して、恋愛の喜びだけでなく、嫉妬や諦め、そして相手を思いやる切ない心が浮かび上がる巻となっています。


なし