春告鳥 巻の5(滑稽本手控え)

あらすじ

江戸の町に生きる男女の恋と人情を描く『春告鳥』。巻の五では、鳥雅の弟子で「宇之」と呼ばれる古道具の仲買人・友吉(ともきち)と、若町の芸者・仲次(なかじ)の恋愛模様が描かれます。一見すると鳥雅を中心とする物語から離れたようにも見えますが、互いに思いを寄せながらも、身分や立場、世間のしがらみに阻まれる二人の姿には、『春告鳥』に通じる恋と人情のかたちが表れています。鳥雅をめぐる恋愛模様と重ねて読むことで、それぞれの男女が抱える思いの違いも浮かび上がります。喜びの陰には不安があり、何気ない言葉が思いがけない騒動を招くことも。江戸の町の風俗や人々の暮らしを背景に、為永春水らしい情緒豊かな会話と、男女の細やかな心の動きを楽しめる一巻です。


なし