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江戸の町を舞台に、男女の恋と人情が複雑に絡み合う『春告鳥』。巻の四では、鳥雅が、お濱やお民への思いを胸に抱えながら、花魁・薄雲の愚痴に耳を傾けています。そこへ見習い遊女のお袖が現れ、明るいやり取りによって、重苦しかった場の空気も次第に和らいでいきます。鳥雅もお袖とのやり取りに気を紛らわせながら、薄雲をめぐる思いを抱え続けます。恋しい相手を思いながらも、身分や立場、これまでの因縁に縛られ、素直に気持ちを伝えられない人々。何気ない言葉やちょっとした行き違いが、人の心を揺らし、男女の関係をさらに複雑にしていきます。為永春水ならではの細やかな心理描写に加え、遊廓で交わされる男女の会話や、当時の人々の暮らしぶりも味わえる一巻です。
| # | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 夾鐘 | 旧暦の2月の別名。現在の新暦では2月下旬から4月上旬ごろです。 |