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『あんぽん丹 上』の第五回・第六回では、丹吉の墓がある道楽寺へ、太六兵衛(たろくべえ)と弁五平(べんごへい)の二人が押しかけます。二人は、丹吉が地獄のどこにいるのかと寺の者に詰め寄り、お香を焚いて幽霊を呼び出しますが、現れたのは丹吉ではありません。そこで二人は、口寄せをする者を呼んで、丹吉の霊を呼び出そうと思いつきます。一方、地獄にいる丹吉のもとにも、現世から口寄せによって呼び出されるらしいとの知らせが届き、丹吉もその準備に取りかかります。現世と地獄を行き来する奇想天外な展開に、一九らしい洒落や、とぼけた人物たちのやり取りが加わり、笑いを誘います。死者を呼び戻そうとする人々の騒ぎを通して、人間の欲や世間の常識を茶化すところも、この作品ならではの面白さです。江戸の庶民が楽しんだ、機知と滑稽さに満ちた一九の世界を味わえる回です。
なし